当研究室ではアイキャッチ画像(Rule30セルオートマトン)に代表される「セルオートマトン」による一個焼入れでの蒸気膜崩落のシミュレーション手法を開発・検証してまいりました.
この度,既報の焼入れバラツキまでを含んだシミュレーション結果に続く研究について可能性を検証しました.
セルオートマトンを発展させた「格子ボルツマン法」による集団焼入れのシミュレーションについての研究になります.詳細は2024年度の春季熱処理技術協会講演大会で発表を予定しています.
蒸気膜崩落現象という部品表面での2次元現象と,空間内での流れのゆらぎ(蒸気膜崩落を起こすエネルギーの一端)の拡散の連成をいわゆる拡散方程式で解く試みで,圧倒的な低負荷での集団処理解析を実現させます.いわゆるナビエストークス方程式による状態伝播をセルオートマトン化する「超離散化」処理で本手法の成立性の証明ができたため,これを実装し効果を検証します.
産業界・熱処理の発展への寄与にご期待ください.
2023年10月23日